君の瞳にわたしが映っても(完)

「えっ?」


だけど、相川の反応は予想外だった。


「お前、そのことについてなんか知ってんの?!」


意気込んで聞いてくる相川に、わたしは心底驚いた。


白石さん、相川にいじめのこと…言ってなかったの?


相川はわたしの返事も待たずに話し出す。


「噂で柚がいじられてんの聞いて、ヤバイって思って、今日放課後柚に聞いたんだけど、何も教えてくれなくてさ。あいつ全部抱え込むから、困るんだよ…」


ズキン…


ズキン…


「それに今日も予定があるとか言って先に帰っちゃうしさ…だから柚はほっとけねーんだよ。予定のことすらもほんとなのか危ういし…」


ズキズキズキズキ…


「それでさ、あいつをいじってるやつのこと、誰かしらねーか今日放課後聞き回ったんだよ。だけどさ、女子口硬くて誰も教えてくんねーの。」


ズキズキズキズキズキズキズキズキ…


「だからお前が知っててほんとよかったあー…はあー…」


ズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキっ…


「し、心配だよね。あ、のね、たぶんね、二組の安藤さんたちだと思うよ。」


ズキズキっ…っ…ズキ…っズ…キ…


「ちゃんと、慰めてあげるんだよ?きっと、ひ、とりで溜め込んでると、思う…から。」

っ…っ…

やばいっ…

わたしは涙がこぼれ落ちそうになって、慌ててプリントをまとめた。


「それが彼氏の役目ってもんじゃん?」
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