君の瞳にわたしが映っても(完)
「玲さーん。」
隣から声がかけられる。
「んー?」
わたしは顔を上げる。
「もお、哀れな奴め。」
そう言って頭を撫で回してくるのは、いわゆるクラスが同じで、
なんとなく仲良くなった系の友達、笹原美希(ささはらみき)。
美希だけわたしが相川を好きなことを知ってる…というか気付かれてしまったと言ったほうが適切かもしれない。
「もー諦めちゃいなよ!」
そして彼女のその発言も、もう何度耳にしてきたことか。
それでも諦めきれないのはなぜだろう。