君の瞳にわたしが映っても(完)


「じゃあまた明日ね!」


わたしは部活のある美希と別れると、下駄箱に向かった。


今日は1日『イケメン相川が美少女彼女のために怒鳴った』という話題で持ちきりだった。


どの生徒もあの二人に勝る美男美女カップルがいないことを知っているから、

もう国民的アイドルが結婚したとでもいうほどに大げさに盛り上がっていた。


やっぱり人生は顔だな、って思いざるを得ない二人組だ。


わたしはきっと二人みたいになれない。

白石さんみたいに優しくないし、白石さんみたいに可愛くないわたしにまず勝ち目はない。


あーあ、つまらない。


あーあ……つまらない。


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