君の瞳にわたしが映っても(完)
「好きなのはわかるけど、」

「ちょ、声がでかい!」

わたしは慌てて美希の口を塞ぐ。

ただでさえ滅亡的な状況なのに、これが聞こえたら哀れなやつでしかなくなる。



「だって彼女いんじゃん。」



美希は大きな声で囁いた。

そう。


あいつにはすごくお似合いな彼女がいる。いざ言葉にされると胸がぎゅっと痛くなる。

う、気にしない気にしない。


「相川とあんたビミョーに仲良いし、余計辛いんじゃん?他人とかじゃないし。」


「しいいいっ!」


「ん、どーしたの?」

二人でもめていると、前に座っていた相川本人が振り返った、

「なんかうるさいんだけど。」

「いやあ、玲がさあ…」

「ちょーーーっ!なんでもないなんでもない!!」

ストーーっっぷ!
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