君の瞳にわたしが映っても(完)

「礼っつってんじゃん。」

相川の不機嫌な口調で発せられたその言葉に、何かがぷつっと切れた。


「そ、そうだけどさ!こんなの見られたら誤解されてもおかしくないじゃん!なんで…そんな、軽い気持ちで…、」


っ…わたしを弄べるのっ?


相川のそのなんでもないような行動が…いろんな人を傷つけることになるってわからないの?


彼女さんも傷つけるし…


片想いのわたしだって、…。


好きでもないのに、こんなこと…、辛いだけじゃん。



相川はしっかりしてるから…

中途半端な気持ちで誰かと付き合ったり遊んだりしないって思ってたのに…



こんなにも簡単に、好きでもない女子と遊べるんだ?



彼女のことを置いといて、そんなことができるんだっ。


相川がそんなひとだなんて…思ってなかった。


それともわたしが純粋すぎるの?真面目すぎたの?




今頃のカップルは、平気で彼氏や彼女じゃない女の子や男の子とお茶に行けちゃったりするの?




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