君の瞳にわたしが映っても(完)
「部外者が首突っ込んでごめんね。」
悪いとは思っていなかったけど、謝った。
中学の頃の自分に戻ったようで、もう、相川に恋する乙女な自分はいなかった。
「帰るね。」
そう言って荷物をまとめ始める。
「おい、たちー、」
「白石さんといちゃいちゃして楽しんでね。多分もう部活終わる時間だと思うし。」
「たちー、」
「わたしバイトあるから、もう行かなきゃ。」
「なあー」
「最高な彼女がいてよかったね。他人がカップルのいざこざに口出ししたらだめだもんね。二人で楽しんで。じゃあ。」
千円札を取り出して、テーブルの上に置く。
「おいっ!」
そして振り返らずに店を駆け出した。