君の瞳にわたしが映っても(完)
#4 月夜の君
月明かりが夜の公園に差し込んで、ブランコの黒い影を浮かび上がらせる。
夜の爽やかな風が髪を揺らす。
背の高い公園の真ん中にあるおじいさん時計が11時を指す。
はあ、帰らなきゃって思いながらも重い腰が上がらない。手に持つファーストフード店のジュースをすする。
お父ちゃんに怒られちゃうな、なーんてね。
立ち上がる気にはならない。
バイト帰りで未だに制服姿の私はきっといけない子だ。夜遊びをしている子みたいだな。そう思うと乾いた笑みが浮かぶ。
先週のカフェでの出来事を片隅に、わたしはぼんやりと宙を見つめていた。
あの日以来、気まづい空気がお互いの間に流れ、わたしは相川のことを一方的に避けている。
本当は知ってた。ただのお礼がしたい相川に下心なんてないことを。ただ、そんな彼に、欲まみれの自分がのこのことついていったことに対して、わたしは怒っていたんだ。
それに加え、昨日ダンボールの中から家族写真が出てきた。
わたしの心は沈んでばかりだ。
嫌な思いばかりが脳を駆け巡る。
夜の爽やかな風が髪を揺らす。
背の高い公園の真ん中にあるおじいさん時計が11時を指す。
はあ、帰らなきゃって思いながらも重い腰が上がらない。手に持つファーストフード店のジュースをすする。
お父ちゃんに怒られちゃうな、なーんてね。
立ち上がる気にはならない。
バイト帰りで未だに制服姿の私はきっといけない子だ。夜遊びをしている子みたいだな。そう思うと乾いた笑みが浮かぶ。
先週のカフェでの出来事を片隅に、わたしはぼんやりと宙を見つめていた。
あの日以来、気まづい空気がお互いの間に流れ、わたしは相川のことを一方的に避けている。
本当は知ってた。ただのお礼がしたい相川に下心なんてないことを。ただ、そんな彼に、欲まみれの自分がのこのことついていったことに対して、わたしは怒っていたんだ。
それに加え、昨日ダンボールの中から家族写真が出てきた。
わたしの心は沈んでばかりだ。
嫌な思いばかりが脳を駆け巡る。