君の瞳にわたしが映っても(完)
美希さん、今なに言おうとしました?

「みっきさーーん???」

「こわっ。目が笑ってねーし。」

そう言ってクスッと笑う相川。

「笑ってるし。」

「笑ってねーよ。」

「相川の方が笑わないじゃん。」

「調子のんな。」

「乗ってない!」

「はあー。ばか。」

「ばかで結構です!」

ほんとにくだらなすぎる会話。

だけどこのどうでもいい時間がずっと続けばいいのに、と思うわたしはきっと病院にいったほうがいいのかもしれない。

喋っている間も相川のたまに寄せられる眉とか、おかしそうに目を細める時とか、胸が痛いくらいにキュンとする。

自然とこぼれる笑みは、ニヤニヤと判別されてもきっと文句は言えない。


「あははは!」
< 6 / 272 >

この作品をシェア

pagetop