君の瞳にわたしが映っても(完)
あーあ、ホントわたしってなんもできない子。こんなところで一人暮らししてる時点でもうわたしは家族として失格だ。

わたしは逃げたんだ、みんなから。

そして自分自身から。







「……橘?」







低い声が聞こえてわたしは顔を上げた。公園の柵の向こう側に、ぼんやりと影が浮かび上がる。



「相川…。」


っ…。

こんな姿見られたくなかった。相川の中では、無邪気で笑顔な、健全な普通の高校生でいたかった。
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