君の瞳にわたしが映っても(完)
夜遅く、制服姿で一人で公園にいるわたしを見て、相川はなにを考えているんだろう。


あーあ。ほんとついてない。


完全に忘れてた。相川がうちのそばに引っ越してきたこと。


彼の隣を見ると、小さな影が見えた。


目をこらすと、細い小さな見覚えのある顔が見えた。


「瀬奈ちゃん。」


わたしが声をかけると、瀬奈ちゃんは小さく微笑んだ。


相川の隣にいるのが白石さんじゃないことにホッとしている自分が憎い。


「瀬奈、先帰ってろ。」


瀬奈ちゃんは私に軽く手を振ると足早に立ち去った。
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