君の瞳にわたしが映っても(完)
わたしは一人ギーコギーコとブランコを揺らしながら、ゆっくりと歩み寄ってくる相川を緊張を押し殺しながら見つめた。

この前のことがあって気まづい。

なんでこんな時に…っ!

何か言わないとっ。

いつもの笑顔はどこいった、わたし?ほら、学校での私!

「っせ、瀬奈ちゃん久しぶりにあったなー!」

苦し紛れに笑った。

笑顔がないと、あの時のわたしみたいで苦しい。

「や、やっぱ兄妹そっくりだねーー!」

苦しい。

無理に笑うのが苦しい。

笑うだけで、辛いんだ。

でもみんな、笑顔の私しか好きにならない。
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