君の瞳にわたしが映っても(完)

「っ…っと、えっと…とっ〜…」

「もう…わかったから。」


いつの間にか目の前に来ていた相川が、静かに、低い声でつぶやいた。


「だから、もうやめろよ。」


うつむいてるからきっと相川にわたしの表情は分からない。それをいいことになおも話し続ける。

「あ、相川は、っ、な、何をしてたのっ?」

「んなことどーでもいいだろ。」

相川は怒りを含んだ声で言った。


「それよりお前、こんな時間に何してんだよ。」


癖になっちゃったから。

夜に家を抜け出すのが。

半年近く経った今でもまだそれが治らないの。


「相川はっ、っ、夜に、なに、してるのっ?」
< 65 / 272 >

この作品をシェア

pagetop