君の瞳にわたしが映っても(完)

「った。」


頰に広がる痛みに驚いて顔を上げる。


「っ、あ、相川…?」


相川はすごく眉間にしわを寄せて睨んでくる。


「っお前、危機感とかねーのかよ!!もし昨日変な奴らに絡まれてたらどーしたんだよ!!!」





え…心配してくれてたの?



誰かがわたしのことを心配してくれていて、


夜遅く歩いていたら怒られる…


そんな当たり前なことに、


わたしは思わず涙が出そうになってグッとこらえた。




嬉しすぎるよ、わたし。




「っ…ごめん。痛かったよな?それに言い過ぎた。」




そんなわたしを見て顔をそらす相川。




「氷持ってくる。」




え!?



「ちがっ!」わたしは思わず相川の腕を掴んだ。
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