君の瞳にわたしが映っても(完)
「俺、橘さんと小学校同じで…って、覚えてない?」
「えっ?えっと…ごめん、覚えてないかも。」
「まあ、そりゃそうだよな。違うクラスだったし。だけど俺、四年のとき相川と同じクラスで、相川がいつも橘さんの話ししてたから、それで。」
ヤバい…死ぬほど嬉しい。
だけどそれとともに襲ってくるのは、虚しくて、切ない想い。
小学校の時の相川とわたしは…今とは全然違ったから…っ
「だったら、今、相川呼べばよかったじゃん、わたしじゃなくて…。」
それ以上昔のことを思い出したくなくてそういえば、
「わあああああ!無理無理無理!そんなの無理!だって相川は俺の神だからっ!!!」
って奇声をあげられた。
「神って…。」
「いや、真面目に冗談抜きで神だから!!」
「ぷあはははっ、面白っ!」
「違う!信じろよ!本当に神なんだから!!」
このチビはいちいち反応が大きいようだ。
「橘さんなら、でも一番知ってるだろ?!」
「え…?」
「え、だって相川の彼女なんじゃないの?」
「は、はあ?!」
「えっ!?てっきりそうかと…。」
やめてよ……
泣きたくなっちゃうから。
そんなわたしの顔を見て、何かを察したのか、チビは少し大人しくなった。