君の瞳にわたしが映っても(完)
二日前の出来事で、ずっと悶々と悩んでいたのに、それが嘘みたいな態度。
だから相川のことをずっと避けてたのに。
こんなにもケロっとデートに連れて行けるのか、こいつは?!
こんなにも引きずってないってことは、相川は、わたしのことを遊んでたのかな…?
いくら考えても答えは出てこない。ただわかるのは、相川には彼女がいて、わたしは彼女じゃないこと。
だけど、あの時絶対にキスしようとしてたよね…?
それに、あの切ない表情…。
わかんない。
相川が何を考えているのかわかんない。
相川の後を付いて行くわたしを見て、周りがコソコソと囁きあっているのが聞こえる。
そうだった。仮にも相川は超絶人気者のイケメンくんで、世間が放っておいているのは、最高級の美女が彼女だからであって…そんな彼にこんなブサイクなわたしが付いていったら、もう未来は見えている。
「ね、ちょ!」
わたしは慌てて相川の腕を引いた。
「んだよ?」
「裏口から行こ?」
怪訝そうに眉をひそめる相川は置いといて、わたしは命からがら非常階段から脱出することに成功した。
「もー…周りの目線気になんないの?」
「は?」
やっぱ鈍感すぎる。
「あーもういいや。で?どこ行くの?」