センパイ。

それは太陽のような

入学式。


それは春の一大イベント。

新しい出会いに胸を踊らせ、自分を変えるチャンス!


私もそんな思いを胸に新しい学舎へといっぽを踏み出す……


はずだった。




『はぁ?風邪ひいた?』

『ごめん、菜緒m(。>__<。)m』

『じゃあ今日は来ないのね?いつから来れそう?』

『一週間後かなぁ』

『もういい。私は新しく友達作るから。ばいばい』

『え、そんなぁ』

『まぁ安静にしときなさいよ!』


そう、私は風邪をひいたのだ。
入学式当日に。

とりあえず親友の渡邉菜緒にメールを送ると、
案の定キレている。
これは一週間後私はぼっちかもしれない。



第一志望校に合格して、買ってもらったスマホ。
最新機種のそれを何となく開いて、
つい最近始めたTwitterを開く。


『中野彩希
春から○○高校1年生♡フォロー宜しく(´˘`*)』


同じ高校の人達と繋がれたのに……。
自分が情けない。



「はぁ」


菜緒、今頃新しい友達と楽しくお喋りしてるのかな?
菜緒のことだから私がいなくても、
充分楽しくやっていけるだろう。


なんとなく悔しくなってきて、
まだピカピカの携帯をベッドに放り投げて眠りについた。
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