泥だらけのディフェンダー
変わった色のユニフォームだな…いや、それは、元々白いユニフォームが、泥でまみれたなれの果ての姿だった。

もちろん、他のサッカー部員たちのユニフォームも雨と泥で汚れてはいたが、竜馬センパイのそれは際立って茶色だった。

きゅんっ。

私は一瞬、胸が締め付けられた。

ドロドロのユニフォームを鎧のように身にまとい、グラウンドを駆け抜ける竜馬センパイ…かっこいい。

これが…恋というものか。

その日以来、私はサッカー部の練習はよく見学するようになった。

もちろん、お目当ては竜馬センパイだ。

ほとんど皆勤賞に近い。

だけど…
< 4 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop