あたしが彼に惹かれた理由
「ありがと。杉浦」


にっこりと笑う。



「あたしは思ったことを言っただけだよ」


「それがいんだよ。だから、俺も言ってこようかなって」


「ん?」



彼の顔が心なしか赤い気がするのは気のせいだろうか。



「すきだったやつに、告白」


「……そか」



ズキンと胸が痛む。



「でもソイツ、その好きな奴と付き合ってるし勝算ないけどな」



目を閉じて、その彼女を思い描いているのだろうか。

そんな彼もカッコイイと思ってしまう。
つい、さっきまで何とも思っていなかった顔なのに。
好きだと認めた瞬間から彼のすべてがかっこよく見えてしまう。



「それでも云うんだね」


「うん。後悔はしたくないしね。杉浦のおかげだよ。ありがとう」



ポンっとあたしの頭に触れる。



「応援してる」


「告白が終わったらまた来てもいいかな?」


「そんなすぐなの?」



あたしだっていつまでここにいるかはわからない。
でも、豊田くんに会えるならここにいたい。

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