キミアト、


だから今日も朝から誘われても出かける。


「またサクラちゃん?」
リビングへ行くとママはあからさまに怪訝な顔をして私を見た。

「うん!よく分かったね」

「音々子が朝起きする時ってだいたいサクラちゃんと会う日だもの。……朝ごはんは?」

机に置かれたスクランブルエッグとベーコンに食パン。
昔から大好きなメニューだ。

「でも急がないとねぇサクラに怒られる」

「ちょっとでも食べなさい。サクラちゃんに怒られたらママのせいにしていいから」

美味しそうな匂いに私はカバンを置いて椅子に座った。

「…いただきまーす!」

うん。やっぱり美味しい!

「ママのご飯、最高〜!」

「良かった。……今日も遅くなるの?」

サクラと会う日は決まって深夜を過ぎてから家へ帰る。
そのたび、毎回心配そうにするママ。
私だって早く帰りたいけどサクラといると時間を忘れてしまう。

「多分ね。でもいつもサクラが家まで送ってくれるよ」

「それはいいけど。サクラちゃんだって帰り危ないでしょう?」


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