are you there?
その後、ここで眠ってしまったらしい。


校庭を見下すと、部活動終わりの生徒達が、門に向かってるのが見えた。


急いで、教室に戻ったら、芽依が机に突っ伏して寝てた。


「芽依、帰ろ。門、閉まっちゃう」

「…葵ちゃん。」


寝ぼけナマコの芽依を急かして、校門に走った。


「遅いぞー、何してたー。」



よりによって生活指導の顧問が立っていた。


「ごめんなさい。」

一応、謝りながら校門をダッシュで抜けた。


後ろで何かいう声が聞こえたけれど、無視して走り続けた。







隣で、楽しそうに笑う、温かい右手の持ち主は、多分もう大丈夫。




きっと、私の選択は間違ってはなかった。





are you there


そこにいますか?








私はここにいて、芽依も隣にいる。小田原はきっと引っ越しの準備でもしてるのだろう。





存在したかもわからない、意味があったのかも分からない、叶うことのなかった小さな私の恋も、確かに息をして。




そこにいたんだ。
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