暁色をした空は君を思い出させる。

かつて


悠太は、小学5年生の頃に転校してきた。


その頃の私はスポーツが好きだったため、放課後は毎日男子と公園で遊んでいた。



兄がいることも影響しただろう。



小さい頃からおままごとや砂遊びはしたことがなかった。



「悠太っパス!!」



「ナイス綾音!」



転校してきた彼を、毎日毎日代わる代わる誘い続け、いつしか悠太は「いつメン」の1人になっていた。



後から聞くと、悠太は名前を聞くまで私も男だと思っていたそうだ。


仕方がない。


兄のおさがりの服を着ていてショートカット、毎日の積み重ねで黒くなった肌。


声変わりも体つきの変化もほとんどなかったこの頃。




私が男子に見える要素は全て揃っていた。
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