暁色をした空は君を思い出させる。
そんなことを考えながら、硬い皮を引きちぎるように食べる。
すると、悠太がしみじみと言った。
悠「これ美味く感じるのぜってぇ綾音がいるからだ」
言ってから、あっ……!と口を隠す。
「私も思うよ。悠太とこれ食べてなかったら絶対美味しくなかった。……冷めてくさそう」
そう言いながら苦笑いすると、悠太はホッとしながら「そうだな」と笑った。
食後、山頂に着いたのは6時半ごろ。
空が少し明るくなってきていた。
悠「タイミングばっちりじゃねーか!」