暁色をした空は君を思い出させる。
「悠太とはこの時間帯の空、よく見るね。暁?って言うんだっけ……」
悠「あぁ、確かによく見る。俺がこの時間帯が好きだからかも」
2人で明るくなってきた隣の山の方を見ながら話す。
悠「小5ぐらいからかな?俺、この時間好きなんだ。綾音は覚えてないかもしんないけど、虫取り行った時に見た暁と夜明けが忘れられなくて」
「覚えてるよ。私もそれから好き。見るたびに色が違うんだもん」
悠太はそれきり黙ってしまった。
しばらくして開いた口から出た言葉は、わずかに震えていた。
悠「……空ってどこまでも繋がってるよなぁ」