暁色をした空は君を思い出させる。
始発の電車から新幹線に乗り換えて岡山に行く悠太。
地元の駅のホームには知っているだけで20人は集まる。
私はというと、最後にゆっくり話したいと家から一緒に駅まで歩いた。
悠太の両親は挨拶を済ませてから来るそうで、私と悠太は2人きりだった。
「あっという間だね」
悠「そうだな。綾音、俺が転校してきた時、誘ってくれてありがとな」
「悠太だって私に声かけてくれたね、ありがとう」
そう言いながら歩いて行くと、駅舎が見えてきた。
前に進みたくなくて、私は歩みを止める。
「ねぇ、悠太……」