彼の笑顔に出逢いたい

「あ!ここだよ、ここ。」

待ち合わせのそのカフェは、校内に幾つかあるお店の中でも安くて美味しいと学生に一番人気のお店なんだとか。

お昼にはまだ少し早い時間だからか、店内は程よく空いていた。

めぐの先輩はどの人だろう、そう思いながらパラパラと見えるお客の姿に視線を走らせたその時

「あっ!いた!」

と、正面に立つめぐが声を弾ませた。

彼女が見つめる視線の先に見えたのは、入り口から最も離れた奥の窓際に座る二人の男性。

そう言えば、めぐの先輩の性別は聞いてなかった。

ただなんとなく女だと思ってたから、男だった事実に途端に緊張が走る。

そこに向かって歩き出しためぐの後ろから着いて行くけど、本当は帰りたくて仕方なかった。


「めぐ!」

こちらに気づいた先輩らしき人が、めぐの名前を呼んだ。

めぐの肩越しにチラリと見えたその人は、爽やかな笑顔がまぶしい素敵な男性。
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