彼の笑顔に出逢いたい
背後に人が来たのがドリンクの並ぶガラスケースに映った。


場所を譲ろうと後ろを振り返ると、そこに立っていたのはあの男だったーーー。


自意識過剰超絶無愛想男……


漢字ばかりの羅列で文字にすると、お経みたいに見えなくもないが決してそんな有り難いものではない。


「…あっ…」


と思わず、声が出た。


この人に会うのは、あの日以来…。


ストーカーに間違われて、違うと否定して突っ立ったままの無愛想男の横を素通りして以来。


私としては、好き好んで会いたくはない人だけど相手にしたら私以上に会いたくなかっただろうな。


だって自意識過剰になりすぎた恥ずかしい勘違いだったわけだから。


「…はよ…」


そう思っていたから最初、聞こえたその声に空耳かと思った。
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