彼の笑顔に出逢いたい

片桐先輩が無愛想男に声をかけたが返事をしない無愛想男の代わりに、私がそう答えた。


きっと今頃は夢の中なのだろう。


「そっか。昨日、バイトが終わるのが遅くてほとんど眠ってないみたいだから、じゃあ、そのまま寝かせといて。」


ふーん、だから疲れて今寝てるわけね…


「結城さんってどんなバイトしてるんですか？」

「ああ、駅前にある居酒屋。名前はなんだっけ…えっーと…あーど忘れした。でもチェーン店だから行ったらすぐ分かるよ。また機会があったら使ってやってよ。安いし美味しいから。」


その言葉に、思わず「えっ！？」と驚きの声を出してしまった。


「花乃ちゃん、どうかした？」

「駅前の居酒屋チェーン店って言ったら、花乃と同じバイト先だったりして？」


私の代わりにめぐがそう答えていた。