彼の笑顔に出逢いたい
「軟骨の唐揚げ、お待たせいたしました。」


週末の夜、店内はお客様の話し声と、店員の掛け声でざわざわと賑わっていた。


一番混み合うこの時間、空席はほぼない満席状態。


次々に入るオーダー表を厨房に流し、出てくる料理を各テーブルに運びながら空いたお皿も回収して厨房に戻る。


何往復したか分からないくらい、週末の夜は忙しい。


その分、時間が経つのも早いけど。


今日の私のシフトは20時まで。交代の時間になり、ざわつく店内を1人後にした。


店から一歩外に出ると、駅前のため人通りはかなり多い。


駅から出て行く人や、駅に入って行く人。


これから飲みに行く人や、すでに酔っている人など、様々な人たちが行き交う。


今日の私はいつものバス停ではなく駐輪場に向かって歩きはじめた。
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