彼の笑顔に出逢いたい
先日、駅前の書店まで自転車で来ていた私は、帰りに運悪く雨に降られてしまった。


仕方なく駅の駐輪場に自転車を止めバスで帰ったけど、この数日、自転車がない生活は何かと不便だった。


自転車に跨りいつもバスで通るルートを走っていると、前方に人だかりが見えた。


パトカーと警察官の姿もある。


周りには野次馬が沢山いて肝心の中心は何も見えなかったけど、前方を塞がれた私はルート変更を余儀なくされた。


見慣れた道から逸れたのがそもそもの間違いだった。


“ 方向的に間違っていなければ、あとで見慣れた道に出られるだろう ”


結果的にその考えは安易だったと、あとで後悔することになる。


今が明るい日中とは違う夜だということも、余計に判断を鈍らせてしまったのかもしれない。


走っても走っても、見慣れた道に出ることは出来なかった。
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