彼の笑顔に出逢いたい
彼に触れられた頭の天辺(てっぺん)の辺りがジワジワと温かい。


去っていく彼の後ろ姿を見ながら、私はこの胸に沸き起こる感情が恋かもしれないという事に気付き始めていた。


できる事なら、一緒に帰りたかった。


後ろ髪を引かれる思いで私は店を出た。




******


その日はバイトが休みだったので、めぐのショッピングに付き合っていた。


「花乃ちゃん」


後ろから声をかけられ振り返ると、そこに居たのは同じバイト先の先輩である西野さんだった。


彼は他校の大学2年生で、バイト先でも主に私の指導係として普段からお世話になっている人。


「あ、西野さん。こんにちは」


笑顔で挨拶をすると1人?と聞かれて友達といると答えた。


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