彼の笑顔に出逢いたい

「男の視線って、ほんっと分かりやすいよねー。みんな花乃に釘付け。さっきなんて振り返ってまで見てた人もいたからね。」

「…え?」

「え?ってなに気づいてないの?嘘…あんなに見られてるのに?!」

と、めぐは本気で驚いている。

確かに、視線は感じたけどそれは皆めぐを見てるんじゃないの?

「ほら、あの人も。」

小声でそう言われ、正面から歩いて来る人に視線だけを向ける。

するとその人の目線が、めぐから私に移ったと思ったらそこから更に下に降り、胸の辺りを食い入るように見つめたまますれ違って行った。

確かに “ 大きいね ” と言われたことは何度もある。

だけどそれを言ったのは中高時代の同級生(女子)だったから、そこにいやらしさを感じた事はなかった。
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