繋がる〜月の石の奇跡〜
大谷は、井上のアパートに着き、荒くなっていた息を整えてからチャイムを鳴らした。
3回目のチャイムを鳴らそうとした瞬間、部屋のドアの鍵が開く音がきこえ、中から井上が出てきた。
「井上。」
大谷は、ドアを閉められないように、しっかりとドアノブを握りながら言った。
「大谷さん。」
井上は、何も抵抗する様子もなく、小さく細い声で言った。
「少し話せるか?」
想像していた感じと異なる井上の表情と態度に、憤っていた大谷の気持ちが少し和らいだ。
「はい。」
井上は、潔く大谷の言うことを聞き入れ、大谷を部屋に入れた。
「えみちゃんと何があったんだよ。」
大谷は単刀直入に聞く。
「‥‥。」
井上からは返答がない。
「えみちゃんの元カレのことか?」
大谷の言葉に井上が反応する。
「元カレは元カレだろ?そんなんで気持ちが簡単に無くなるのかよ。」
大谷は、平静を保ちながら井上に問いただしていく。
「‥‥。」
井上は黙ったまま、大谷の方をじっと見た。
「そんなもんの気持ちだったのか?」
大谷の声は次第に大きくなっていく。
「‥‥。」
「何とか言えよ、井上。」
大谷の収まっていた怒りが、再度込み上げてくる。
「井上!」
黙り込む井上にしびれを切らして、大谷が井上の胸ぐらを掴みにかかった。
「何とか言えよ!」
大谷の怒りはピークに達して、拳を高く振り上げる。
「俺は‥」
大谷は、振り上げた拳を空中で止め、井上の口から出た溢れるような想いを聞いた。
「‥‥。」
大谷は、井上の胸ぐらを掴んでいた手の力を緩め、そっと手を離した。
3回目のチャイムを鳴らそうとした瞬間、部屋のドアの鍵が開く音がきこえ、中から井上が出てきた。
「井上。」
大谷は、ドアを閉められないように、しっかりとドアノブを握りながら言った。
「大谷さん。」
井上は、何も抵抗する様子もなく、小さく細い声で言った。
「少し話せるか?」
想像していた感じと異なる井上の表情と態度に、憤っていた大谷の気持ちが少し和らいだ。
「はい。」
井上は、潔く大谷の言うことを聞き入れ、大谷を部屋に入れた。
「えみちゃんと何があったんだよ。」
大谷は単刀直入に聞く。
「‥‥。」
井上からは返答がない。
「えみちゃんの元カレのことか?」
大谷の言葉に井上が反応する。
「元カレは元カレだろ?そんなんで気持ちが簡単に無くなるのかよ。」
大谷は、平静を保ちながら井上に問いただしていく。
「‥‥。」
井上は黙ったまま、大谷の方をじっと見た。
「そんなもんの気持ちだったのか?」
大谷の声は次第に大きくなっていく。
「‥‥。」
「何とか言えよ、井上。」
大谷の収まっていた怒りが、再度込み上げてくる。
「井上!」
黙り込む井上にしびれを切らして、大谷が井上の胸ぐらを掴みにかかった。
「何とか言えよ!」
大谷の怒りはピークに達して、拳を高く振り上げる。
「俺は‥」
大谷は、振り上げた拳を空中で止め、井上の口から出た溢れるような想いを聞いた。
「‥‥。」
大谷は、井上の胸ぐらを掴んでいた手の力を緩め、そっと手を離した。