繋がる〜月の石の奇跡〜
三章
月曜日、えみは、図書館で勉強するために早めに家を出た。

自然と早足になりながら、図書館へと向かう。

図書館の入り口へたどり着き、中へと入る。

この間、井上が座っていた席には誰もいない。

えみは図書館の全体を一通り見渡したが、誰もいる様子はなかった。

えみは、井上がいることを少し期待していた。

それは、どうしても思い出せなかった井上の顔を1日も早く確認したかったからだ。

そして、井上と光輝が違う人物ということをしっかりと認識したかったのだ。

『笑い方、話し方、癖。似てるところがありすぎる。それにあの香り。』
えみは、井上と光輝を重ねずにはいられなかった。

この間交わした井上との会話が、全て光輝と話したことのように感じられてならなかった。

『私、どうかしている。』
そんなことを考えていると、図書館のドアが開く音がした。

えみの心臓はドキドキと音を立てて鳴り始めた。
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