繋がる〜月の石の奇跡〜
時間は刻々と過ぎ、えみが時計にふと目をやると、夜の10時を回っていた。
外はもう真っ暗になっている。
えみは顔を伏せたまま、窓の外の月をぼんやり見つめた。
そして、右手のブレスレットについたムーンストーンを月にかざした。
月に照らされたムーンストーンは、ぼんやりと美しく輝いていた。
『光輝。なんで?私たちずっと一緒だと思ってたのに。』
光輝のことを思うと力が自然と抜けたえみは、月にかざした手をさっと元の位置に戻した。
「帰ろう。」
そう言って、えみはカバンを持って図書館の外へ出た。
通い慣れた道を歩いていると、途中で知らない男がえみに話しをかけた。
「お姉さん一人?ちょっとお話ししなーい?」
酔っ払っているのか、その男はいきなり肩を組んで馴れ馴れしくえみに話しを掛ける。
振り払って逃げようとするが、その男はぐっとえみの腕を掴み離そうとしない。
おまけに、そこは蛍光灯の少ない薄暗い上り坂が続く道で、えみにはその人を振り切って逃げ切る自信がなかった。
恐怖のあまり声もだせずに、ひたすら手を振り払おうとする
すると男が掴んでいる腕がパッと離れ、その瞬間に目の前に大谷の姿があった。
大谷は、えみの手首をしっかりにぎり、男の胸をバッと突き放して力強く言った。
「こういうことは止めた方がいいですよ。」
その男は、そのまま何も言わずにその場をそそくさと立ち去って行った。
大谷は、くるりとえみの方を向いて
「大丈夫だった?」
優しく尋ねた。
えみは驚きと恐怖から腰が抜けてしまい、地面に座り込んだ。
「怖かったね。もう大丈夫だよ。」
えみからの返答は何もない。
その姿に、大谷もしゃがみ込み、えみの体を抱き寄せ、頭を優しく撫でた。
外はもう真っ暗になっている。
えみは顔を伏せたまま、窓の外の月をぼんやり見つめた。
そして、右手のブレスレットについたムーンストーンを月にかざした。
月に照らされたムーンストーンは、ぼんやりと美しく輝いていた。
『光輝。なんで?私たちずっと一緒だと思ってたのに。』
光輝のことを思うと力が自然と抜けたえみは、月にかざした手をさっと元の位置に戻した。
「帰ろう。」
そう言って、えみはカバンを持って図書館の外へ出た。
通い慣れた道を歩いていると、途中で知らない男がえみに話しをかけた。
「お姉さん一人?ちょっとお話ししなーい?」
酔っ払っているのか、その男はいきなり肩を組んで馴れ馴れしくえみに話しを掛ける。
振り払って逃げようとするが、その男はぐっとえみの腕を掴み離そうとしない。
おまけに、そこは蛍光灯の少ない薄暗い上り坂が続く道で、えみにはその人を振り切って逃げ切る自信がなかった。
恐怖のあまり声もだせずに、ひたすら手を振り払おうとする
すると男が掴んでいる腕がパッと離れ、その瞬間に目の前に大谷の姿があった。
大谷は、えみの手首をしっかりにぎり、男の胸をバッと突き放して力強く言った。
「こういうことは止めた方がいいですよ。」
その男は、そのまま何も言わずにその場をそそくさと立ち去って行った。
大谷は、くるりとえみの方を向いて
「大丈夫だった?」
優しく尋ねた。
えみは驚きと恐怖から腰が抜けてしまい、地面に座り込んだ。
「怖かったね。もう大丈夫だよ。」
えみからの返答は何もない。
その姿に、大谷もしゃがみ込み、えみの体を抱き寄せ、頭を優しく撫でた。