繋がる〜月の石の奇跡〜
大谷は二人をアパートに降ろし、歩いて大学の方へと向かう。
「何食いたい?」
「何でもいいよ。」
「じゃあー、お好み焼き。」
「うん。」
大谷がいなくなっても、特に気まづい空気になることもなく、えみと井上は話をした。
えみたちが住んでいるところは、少し歩けば海がある。
二人は、井上が何度か行ったことのある海辺の鉄板焼きの店に行くことにした。
空に浮かぶ月は、いつもにも増して輝き二人を照らしている。
店に着くと、二人はメニューを眺める。
「食いたいもんあった?」
井上が聞く。
「うーん。どれも美味しそうで迷う。」
えみは、メニューを見ながら楽しそうに答える。
「じゃぁー、豚玉と海老玉。」
「. . . .」
「え?」
えみは、その言葉に驚いた。
『また同じ. . .』
そのとき、えみの頭には忘れかけていた光輝の姿があった。
光輝もお好み焼きを食べるとき、いつも豚玉か海老玉を注文していたのだ。
それでもえみは、以前のように酷く動揺することはなく、どこかで懐かしむ気持ちだけが生まれていた。
『私、もう大丈夫だ。』
光輝のことを吹っ切れてきていることがはっきりと感じられた瞬間だった。
ただ、それが井上のおかげなのか、大谷のおかげなのか、えみにはまだ分からなかった。
「何食いたい?」
「何でもいいよ。」
「じゃあー、お好み焼き。」
「うん。」
大谷がいなくなっても、特に気まづい空気になることもなく、えみと井上は話をした。
えみたちが住んでいるところは、少し歩けば海がある。
二人は、井上が何度か行ったことのある海辺の鉄板焼きの店に行くことにした。
空に浮かぶ月は、いつもにも増して輝き二人を照らしている。
店に着くと、二人はメニューを眺める。
「食いたいもんあった?」
井上が聞く。
「うーん。どれも美味しそうで迷う。」
えみは、メニューを見ながら楽しそうに答える。
「じゃぁー、豚玉と海老玉。」
「. . . .」
「え?」
えみは、その言葉に驚いた。
『また同じ. . .』
そのとき、えみの頭には忘れかけていた光輝の姿があった。
光輝もお好み焼きを食べるとき、いつも豚玉か海老玉を注文していたのだ。
それでもえみは、以前のように酷く動揺することはなく、どこかで懐かしむ気持ちだけが生まれていた。
『私、もう大丈夫だ。』
光輝のことを吹っ切れてきていることがはっきりと感じられた瞬間だった。
ただ、それが井上のおかげなのか、大谷のおかげなのか、えみにはまだ分からなかった。