繋がる〜月の石の奇跡〜
「圭くん!」



二人の空気を壊すように、横から声がした。



そこには、ムッとした表情のゆりこが立っている。


「待っててって言ったのに。」

拗ねた口調でゆりこが言う。

えみは下を向いて、目を逸らす。

「真田さん、悪いんだけど、圭くんに話があるの。二人きりにしてもらえない?」

ゆりこは明らかにイライラしている。

えみが返答に困っていると、

「おい、いきなりなんだよ。」

井上が口を挟む。

「だって。」

ゆりこは引き下がる様子はない。

「う、うん。分かった。」

えみは、立ち上がって返事をする。

「ありがとう。」

ゆりこは少し安心した様子で言う。

「ちょっと待って。」

井上がえみの腕を掴む。

「平気だから。」

そう言って、えみは家の方へと歩き出した。
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