繋がる〜月の石の奇跡〜
「あ!コーヒー!」

あずさが思い出して声に出す。

「あ。そうだ。」

えみは、コーヒーを買ったことをすっかり忘れていた。

「はい。」

えみが井上にコーヒーを差し出す。

「サンキュー。」

井上は、受け取ったコーヒーを一口飲む。




「美味ッ。」

井上は自然と笑顔になる。


「あ、甘さとか平気?」

「これめっちゃ好き。」

えみは、「好き」という言葉に無条件に反応する。

「そ、そう。」

胸のドキドキのせいで、上手く言葉が話せない。

井上はご機嫌にコーヒーを飲み続けた。

合宿所に向かう車中では、あずさが主に話し、えみはそれを横で聞いていた。

えみのドキドキは鳴り止まない。

『何この気持ち。』
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