繋がる〜月の石の奇跡〜
井上はえみの方を見ている。

「その人を見たのは、入学式のときだったんだ。」

『入学式・・。ってことは2年以上もその人を思ってるってこと?』
えみの気持ちは沈む。

「一目惚れって言うのかもしれない。話したこともないのに、一瞬で気になる存在になったんだ。」

井上は、いつもになく正直に深い話をする。

「最近になって、キャンパスが一緒になって、話せる機会も増えたんだ。」

「え?」
えみは、井上の方を見る。

「その人は・・。」
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