打ち上げ花火、君の隣で涙する
私も渚を心配させないように花火を見

ようとした。しかしそのうちに視界が

ぼやけてくる。涙がとりとめもなく溢

れ出る。幸いに渚は気づいていなかっ

た。私は渚の隣で声を押し殺して泣い

た。本当は気づかないふりをしていた

けど知っていた。渚は菜乃花のことが

好きって。だっていつも菜乃花を目で

追いかけて、いとおしい表情で見つめ

ていたから。
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