The Guardian Legend
扉の向こう側は意外にも殺風景の部屋だった。
「ここが…魔界なの?」
あまり魔界とは思えない感じだったが辺りを見渡すと玉座に白銀の鎧と兜が居座っていた。
「なんですかこれは?」
恐る恐る隆志が鎧へとゆっくりと歩み寄ると兜から凍り付くような眼光が向けられた。
「…!」
一瞬からだが止まりその恐怖感から後退りをせざるを得なかった。
「この鎧生きてるのか!?」
突如として生気を感じ各々武器に手をかける。
「人間の客は久しぶりだな。その制服は日本防衛高専か」
男の太い声で話しかけてきた。兜のせいか声が籠っている。
「あんたは誰なんだ?」
「おれはこの城の王子、デュアル・アラファルトだ。資料通りでいくと貴様らは真田輝希と那須隆志…」
二枚の資料を見ながら輝希と隆志を睨み付ける。その資料は日本防衛高専の印が付いた個人重要情報の機密資料だ。
「なぜあんたがその資料を?」
「ミッションを受けてほしいと日本防衛高専から言われ、渡されたものだ。まぁ暇つぶしにはちょうどいいと思ってな。クク…」
資料を握り潰し魔法で灰にした。
「さぁ、おれにその力を見せてみろ!」