The Guardian Legend
デュアルは咄嗟に踏みつけていた足をどかした。
上昇していく炎の気に熱い汗ではなく冷や汗が背中を伝った。まだここまで力が残っているとは思っていなかったからだ。
「はぁっ!!」
左手の力のみで高く舞い上がり、炎龍が纏った剣を大きく振りおろした。
剣はデュアルの右腕を覆っていた防具ごと切り落とした。
しかしその防具は抜け殻同然で中身は空っぽ。
輝希は最初からわかっていた。右腕は義腕だと…
右腕をかばうようにして左ばかりを使っていたからだ。
「クク…参った」
大剣をしまい、左手で切り落とされた右腕を手に取った。
「へへっ、わりぃな」
「ふぅ、ヒヤヒヤさせますねぇ」
一息つき、安堵の表情を見せる隆志。
(義腕の切口が溶けた!?
なんて炎だ…やつがこいつらをおれの元へ行かせた理由が何となくわかった。おれにとんでもない試練を与えたな。
それはこいつらも一緒のことか)
魔法の力で床を元通りに直し、玉座も元に戻した。さっきまで争ったのがウソのように、全てが復元した。
「見事としか言い様がない。人間だと思って甘く見ていたおれがバカだった」