The Guardian Legend

 料理を食べ終え、客室へと案内された。

 「この部屋を自由に使いな」

 客室であってもやはり豪華絢爛だ。家具から備え付けのものは全て高級品だ。

 「すっげぇー!わーい♪」
 フカフカのベッドにダイブし、はしゃぐ輝希はまるで幼い子どもそのものだ。

 「…すいません。輝希がこんなので」

 平謝りする隆志に対し、デュアルは笑みを浮かべた。
 「おれはこんなやつに負けたんだ。何も言わない。自由に使っていいと言ったんだしな。もう夜も遅いし疲れただろ?明日から特訓だから早く寝な」

 「ありがとう。あなたみたいな人が王子であればこの国の人々は幸せでしょうね。おやすみなさい」


浅く一礼し、そっとドアを閉めた。


(幸せ…か)



 隆志の言葉を胸に秘めながら自分の部屋へ着き、ソファに腰を下ろした。部屋は、一国の王子の部屋とは思えない簡素なものだ。


 (違う、おれは…親父みたいには…)




苦悩するデュアル…



そのままソファの上で眠りに就いた。


< 34 / 96 >

この作品をシェア

pagetop