The Guardian Legend
「なんだ…またFランクか」
ため息をつく一人の少女。黒髪に少しだけ赤毛が混じり、真新しいブレザーと赤と紺のチェックスカートを着ている。
右手には鋼の剣を持ち、柄の部分は年代物なのか、
または取り替えていないのか、ボロボロになっていた。
その剣は長さ1mぐらいで厚みは5cmはある。重そうな剣を、筋肉がないような細腕で軽々と持ち上げる。
しかも右手一本で…
傍らにはその剣で倒したと思われる異形の狼が倒れていた。悪魔の手先である妖魔の一種だ。
まだ妖魔がいないか、剣を柔らかい布で拭き取りながら目を配らせる。
「おかしいですね。さっきまで大きな反応があったはずなんですけど」
妖魔探知機付きのケータイで辺りを調べる黒髪の少年。
彼の名は那須隆志。(ナスタカシ)
輝希とは幼なじみで、いつも行動を共にするほど仲が良い。
彼も輝希と同じ学校に入っている。その証拠として隆志の着ている紺のブレザーに刻印されている紋章は、輝希と同じである。
彼の背中には弓と矢がある。これを使い妖魔を退治する。
腰には小太刀を背負い、あくまで接近時だけそれを使うようだ。