The Guardian Legend

 デュアルを足止めするくらい簡単なことだと考えていた。あんな重い鎧を着て、バラバラに動く二人をまとめて相手をするなんて、できるはずがない。


 するとガナイは、槍を輝希に向け、走り出した。輝希は、万全の体制を取り、受け止めるつもりだ。


パァン!


 風船の割れた音が響いた。

 割れたのはガナイの右足の風船だ。

 「くっ…」

 ガナイは痺れた右足を庇い、立ち上がろうとする。



 割った張本人は、デュアルだった。

 ヒューズのノコギリ刀を右手で掴み、左手から魔法弾を放ち、風船を割ったのだ。右手は義手のため鋭利なノコギリ刀を掴んでも痛みは全く感じない。

 「おれがまとめて二人相手するんだ。来いよガナイ」

 デュアルの挑発もガナイは冷静で、左足のみで立ち上がる。

 「忘れてたよ。お前の右手から腕は偽物だと」

 「その偽物にお前の刀は歯が立たないんじゃないのか?」

 どちらも挑発合戦を繰り広げ、ヒートアップする。


作戦も忘れて…

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