The Guardian Legend
「王を無事還して欲しければ、これを右手に埋め込め」
ガライは、デュアルに劣らない巨体で全身黒の鎧に身を包み、片手には刃渡り1mを超える斧を悠々と持っている。手渡されたのは濃い闇に包まれた金属の欠片だった。
「これは…!」
紛れもなく魔帝剣の欠片だった。
「我々は今実験をしているのだ。その欠片を埋め込んだらこの世界にいる人種は一体どうなるのか」
「デュアル!私はどうなってもいい!やめろ!」
王が懸命に叫ぶ。だがデュアルの耳には届かない。
デュアルは、恐怖心よりその欠片に惹かれるものがあった。
(からだが求めてるのか、それともまやかしなのか?)
頭が混乱するが、欠片の魔力には勝てず右手に埋め込んだ。すると直ぐに右手が変形し、それは直ぐに右腕にも達した。
「うぐっ…そんな…」
右腕は制御不能となり勝手に動き始める。爪は鋭く固く、腕は植物のツルが何重にも巻かれたような異形となる。