The Guardian Legend


 「そんな…」


 玲音とユマリは闘技場と共に下へ落下していった。


 そして輝希とデュアルも…


 (力を使い果たしたよ…後のことは知らないって言ったからな…デュアル)


 落下していく闘技場…


 うすれていく意識…


 すると誰かが輝希の体を掴み上げた。


 観客の歓声と、どよめきが耳に響く。


 (誰?!)


 「…派手にやったな」


 鎧と兜を脱ぎ捨てたデュアルに抱きかかえられていた。しかも宙に浮いている。


 デュアルの背中には悪魔の特徴である黒い翼を生やしている。

 彼が翼を出すには鎧と兜を取らなければ使うことはできない。

 「あの二人は?」

 ふと下を見つめ、砂埃が舞った中から玲音とユマリを探す。

 「あそこを見ろ」

 デュアルが指差す方向には隆志とミラナが二人を手当てしていた。
 「よかった」

 安心しきり、デュアルの腕に深くうずくまる。

 「デュアルの腕は温かいね」

 「何言ってるんだ?ひとつは義腕だぞ」

 「温かさが伝わるんだ。ふぅ…」

 ゆっくりと息を整え落ち着く輝希を見て思った。


 (こいつとならどこへ付いて行っても楽しいだろうな)
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