The Guardian Legend
左手の甲
「お前らか!?グランデを倒したのは?」
その声に振り返ると同年代くらいで金髪頭の少年がいた。
「そうだけど…あんた誰?」
「女のくせにグランデを倒すとはな」
輝希にとって女のくせに、女らしくしろ、などと言われるのが嫌いだ。
(ん!?もしかして彼は…)
隆志は少年の異変に気付いた。
「君は人間ですか?」
隆志の一言に輝希は少年をよく見た。すると少年の瞳は赤かった。
「おれは人間じゃない。悪魔だ」
赤い目は悪魔の証しである。見た目は人間そっくりなため、パッと見、区別はつかない。
「なぜ悪魔が!何か用があるのですか?」
「別に、グランデが近くにいたから倒そうと思ってたが人間ごとき、しかも女に倒されるとは。妖魔も質が落ちたものだな」
少年の挑発的な言葉に輝希の何かがキレた。
「さっきから聞いていれば人間と女をバカにしやがって!ふざけんじゃねぇ!」
「うるせぇなぁ、てめえ…」
少年は、腰に付いている二つの剣をちらつかせる。
「やってみろよ」
「ちょっ、ちょっと輝希!」
輝希を止めようとする隆志だが輝希の目は真剣だった。