The Guardian Legend


 輝希は、剣を手に取り、戦闘モードとなる。少年も二本の剣を持ち、構える。

 「いくぞ!」

 先に攻撃を仕掛けたのは少年だった。

 二本の剣捌きは、目にも止まらぬ速さで、輝希は防戦一方だ。


(はえぇ、なんだこの剣術は?)

 少年の剣術は、二刀流のフェンシングスタイルだ。

 その剣は、レイピアで先端が鋭く尖って細身で長く、バネのようにしなる。

 そんな操りにくい剣を二本同時に扱う彼は、やはりただ者ではない。

だが輝希も黙っていない。

 「空破斬!」


 剣を勢いよく降り下ろし空間を切り裂く一本の刃を発生させた。

 勢いを保ったまま空破斬は少年に向かっていく。

 「クズが…雷衝撃!」

 輝希の空破斬は、少年の剣から発せられた衝撃波によって打ち消された。

 そして、その衝撃波は輝希に命中し、からだ中に電気が流れる。痺れが収まらず力が入らない。

「くっ…」

足がフラフラするも、根性で耐える。


 (悪魔ってこんなに強いのか。すげぇよ、なんか面白いし)

 こんな状況であっても彼女は楽しんでいた。

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