The Guardian Legend


 取り残された隆志と玲音。

 「みなさん行ってしまいましたね。せっかくなんで屋上へ行きませんか?」

 相変わらずの丁寧口調とにこやか笑顔で玲音を誘った。

 「お前の頼みとあらばいいだろう」



 二人は屋上へとやって来た。心地よい風とぽかぽか陽気が降り注ぐ。


 「あなたは鬼火の元メンバーだったんですね?」

 隆志の突然の鋭い一言に玲音は、その表情を曇らす。

 「誰から聞いた?」

 「ランドスタ王国の大臣から聞きました。デュアルが追う鬼火とあなたが過去にいた鬼火。聞いておかなければこの先嫌な予感がしますからね」

 「…デュアルはおれのことを知っていた。鬼火にいたことも。

 これだけは正直に言うがおれは鬼火のしたっぱだったからそんなに多くの情報は知らない。けど…」

 「僕は玲音を信じてます。仲間なのですから」


 隆志は玲音を信じたい。その一心のため玲音の本音を聞き出そうとした。それに彼がチームメンバーとして相応しいのか隆志なりに試したのだ。


 (隆志、お前らしいな。だがお前たちを利用させてもらう。おれはおれの目的があるからな)


< 88 / 96 >

この作品をシェア

pagetop