The Guardian Legend
「終わりにしてやる」
突進してくる少年に対して輝希は痺れが残り動けない。
「危ない!」
隆志は危機を感じ弓矢を構えず、小太刀を抜いて走り出した。
「貴様のような人間は消えてなくなれ!」
少年が降り下ろした二本の剣を、輝希は左手に握りしめた剣で受け止めた。
今までにないくらいに剣のぶつかる音は辺りに響いた。
「何!?」
からだが痺れているはずなのになぜこれだけの力があるのか不思議だった。
それに二本の剣を左手に持った剣だけで受け止められたことに驚く。
「負けられねぇな」
少年が輝希の顔に目をやると、彼女は笑っていた。
「何がおかしい?」
「面白いんだよ。あんたと戦うことが」
「ふざけるな!」
激怒した少年は、力まかせに輝希を押していく。
「私が女だからって負けたくないんだよ!」
輝希の中の何かが沸き上がり、左手の甲が赤く光った。
彼女が久しぶりに守護獣の力を使う瞬間がきたのだ。